ロックの話をしよう。

私とQUEEN
QUEENは英国が誇る歴史的ロックバンドだ。
私がQUEENの存在を知ったのは、SFCのゲーム「伝説のオウガバトル」の開発者、松野氏(現在はFF12のプロデューサー)の雑誌インタビューが初めだと思う。
「伝説のオウガバトル」は当時では斬新だったリアルタイムシミュレーションRPGで、私は友達に借りてどっぷりはまってしまい。その後、購入に至った。
松野氏のインタビューでは、オウガバトルの世界観は何割かはQUEENの曲をモチーフにしているということを言っていたと思う。そして、「QUEEN2」がそのページに紹介されていた。
「伝説のオウガバトル」が発売されたのは92年。QUEENのボーカリストのフレディ・マーキュリーが没したのは91年だから、私はフレディの死後1年経ってQUEENを知った新参ファンであるだろう。
その後、友達が「QUEEN2」を買ったので借りて聞いてみた。このアルバムは、ホワイトサイド、ブラックサイドという二部構成になっている。当時の私には、ホワイトサイドが古臭く(実際、自分が生まれる前の作品であるのだが)退屈に感じ、ブラックサイドを主に聴いていた。
聴いていると、「伝説のオウガバトル」を連想させるメロディーや歌詞が沢山出てくる。例えば、オウガバトルという曲名はそのまんまだし、ブラッククイーン、ライの海などゲーム中に登場する語句も確認できた。
しかし、当時いい作品とは思いながらもハマるまでには至らなかった。何故なら、その頃専らもっとうるさい音楽を好んで聴いており、それが自分のポリシーであると感じていた部分もあったからだ。今考えると本当に了見が狭かったと思う。
私が初めて買ったQUEENのアルバムは、「グレイテストヒッツ」いわゆるベスト版だ。余談だが、このアルバムは英国のチャートで10年以上100位以内に入り続けたという実績がある。
何故突然購入に踏み切ったかというと、当時聴いていた音楽に少し飽きはじめており、周りの友達に聴く人が多くなってきたため、何か他のが聴きたくなったというところだろうか。
どのアルバムが良いか分からないので、とりあえずベスト版を買ってみた。で、これを聴いて一気にハマった。一曲目の「ボヘミアンラプソディ」を聴いて鳥肌が立った。ちなみにこの曲は20世紀の名曲を特集する英国のラジオ局の企画でレノンの「イマジン」などをおさえ、1位になっている。
このアルバムを私は毎日何度も聴き、歌詞を読み、ライナーノーツやバンドの経歴を見て、ますますこのバンドが好きになった。ボーカルのフレディが亡くなったことも知り、この素晴らしい声の持ち主、ソングライターがもういないことを非常に悲しく思った。フレディは本当に偉大なシンガーだと私は現在でも信じて疑わない。
それから、私はQUEENのアルバムを少しずつ揃え始めた。
まず買ったのは「QUEEN2」だったと思う。初めて友達に借りて聴いた時とは何もかも違って聴こえた。本当に素晴らしい作品だと思った。当時の自分がどの程度狭量な値観を持ってこの作品を聴いていたか痛い程思い知らされた。
その後、私は一度だけQUEENの作品を新譜で買う経験をする。おそらくこれは、最初で最後だろう。
レコーディング半ばで亡くなったフレディの遺した音源を元に、残ったメンバーが完成させたアルバム「MADE IN HEAVEN」が発売されたのだ。私は、勿論買いに走った。だが、私の持っているQUEENの作品の中で最も聴きこんでないと思う。それはクオリティが低いからとか、曲が気に喰わないからではない。このアルバムを聴くと例外なく泣いてしまうからだ。
ここでのフレディの声はとても優しい。自分の死を受け止め、なおも尊厳を失うことなく歌い上げるフレディ、そして遺されたメンバーの気持ちを考えると涙が止まらなくなる。前作で、己の死を受け止め、魂を搾り出すような気迫で歌うフレディと匹敵するある種の「凄さ」をこのアルバムのフレディの歌唱から感じた。

私のQUEENに対する気持ちはとてもじゃないが語り尽くせない。
好きなバンドは他にも沢山あるがQUEENはその中でも特別だと思う。
私の中でQUEENのイメージはフレディの歌唱に依るものが大きい。勿論、他のメンバーの存在感も半端ではないのだが。
フレディはロック史上最も偉大なミュージシャンであると思うし、人間として、男として非常に魅力がある人物であると思う。
11月になるといつもフレディのことを思い出す。フレディの命日は11月24日。
私はこの時期いつもQUEENのアルバムを聴きかえす。QUEENの曲、フレディの声はいつ聴いても素晴らしいと感じる。
フレディの冥福を祈りながら、QUEENを聴き続けるファンはきっと多いだろう。その人達と同様、私にとってQUEENはかけがえの無い存在であり続けるだろう。



雑記とか
色々書こうと思ってたけど、更新サボってるうちに話題が古くなっちゃったので、雑記は軽くいきます。

書こうと思ってたこと。

・t.A.Tuについて
見事な消費されっぷり、CD買わなくて良かったと心底思った。
単にメディアに乗せられて巨大になっただけの存在であって、下手してメディア見捨てられたらまた消滅するのも必然かと。まあ、こういうグループってよくいたよね。
ネットで評判最悪の客席ガラガラ公演は、ロッキンオンでは絶賛してましたが。
その後、ファンサイトも荒らしが沢山きたり閉鎖したりしてましたね。ボブ・サップのサイトもそんなかんじでしたが。
でも、自分が興味ない対象だからそういう風に見れるけど、ファンにとっては心中穏やかじゃなかったんでしょうね。盲目的な肯定意見も見受けられたけど。
余談ですが、三島由紀夫に傾倒してるやや右よりの友達が、大江健三郎をやたら批判してたのを思い出しました。まあ、全然関係ないですね。

・ヒスブルのこと
これも大分前だけど、ヒステリックブルー(だっけ?)のメンバー捕まったよね。
ヒスブルってデビュー自体がジュディマリの休止の時期に重なってて、路線も同路線(かつ劣化)って印象だったし。ジュディマリが復活したら消えると思ってたんだよね。
実際消えたかと思ってたけど、このニュースでまだあったんだと思いました。
そもそも、すごくよく知ってるわけじゃないけど、歌詞も曲もあんまし気に入ってはいなかったけど。前向きをやたら啓蒙してるみたいでね。うさんくさいなあと。好きな人には申し訳ないけどね。
ジュディマリとこのバンドって、長渕ととんねるすの「なさけねえ」の関係みたいに思ったりもして。
まあ、好きでもないバンドを論評するのは卑怯な気もしないでもないのでこのへんで。
このメンバーがなんで捕まったかは忘れたなあ。

・「世界に一つだけの花」
この曲が大嫌いです。すごくいやらしい曲だと思います。
この曲が好きだという人がいてももちろん構わないし、それもいいと思います。
世間に受け入れられて当然の曲だと思うしね。
私はひねくれてるからこの曲に疑念を持つのかもしれないし。
まずね、この曲って、強烈な自己肯定を啓蒙する曲のように聞こえます。
自己肯定、現状を肯定することは決して悪いことではないけど、この曲に関しては、欺瞞というか誤魔化しに聞こえるんだよね。
No1にならなくても、元々特別なOnly1だからいいんだよ、って本当にそれでいいんですか?
100人いて、その中の1人しか希望が適わないとしても、それでもNo1にならなくてもいいんですか?
自己を肯定して、今のままでいいんだって考えることは、現代人に必要な癒しであるのかもしれないし、楽になれるかもしれませんが、安易すぎやしませんかね。
大体、この曲SMAPが歌っても説得力ないしね。日本でNo1の人気、知名度といっても差し支えない人たちがNo1にならなくていいって言っても、なんだかなあってね。
別にNo1になることが必ずしも大切ではないんだけどね。というか、No1にでもならなければ、Only1でいることすら大変な世の中だと思うんですけどね。
まあつっこみどころ満載だと思いますよ。(この文章もだけど)
全員がOnly1、つまり全員が特別ってことは、全員が同じってことと同義に近いと思うんだけどねえ。共産主義ぽくもあるかも。
でもまあ、No1にならなくて「も」いいってことだから、別にNo1目指してもいいんですよね?槙原さん。

・タイアップ
まあドラマもアニメも多いけど。アニメの方限定で書いてみます。
最近だと、ナルト、ガンダムSEED、鋼の錬金術師が思い浮かびます。
それ確か全部OP、EDともソニーのアーティストだよね。DVD付きベストも出してるし。
SEEDはともかく、ナルト、ハガレンはアーティストのチョイス良かったかと思うよ。
特に、ナルトはアジカンとかオレンジレンジとか、今ほどメジャーじゃない時に起用したり、活きのいい若手使ってるなーと思ったものです。
昔だと、るろうに剣心なんか、全くイメージあわない曲平気で使ってて辟易したものです。そばかすとか。
今は、アニソン系アーティストじゃなくて、アニメの主題歌って感じじゃなくても違和感があまりないことが多いね。
自分をかっこいいと思ってる若者とかが「アニソンなんて」って言うのをよく耳にしますが、今は普通のアーティストも歌ってるからねえ。そういうのは少し無知なんじゃないのかな。もちろん自分が嫌いだから(もしくはアニメ嫌いを標榜して、そういうキャラ作りたいから)ってアニソン否定するのもねえ。そもそもアニソンて音楽のジャンルの名前ですらないし。ロックもあればポップスもあるでしょ。
でもまあ、純然たる「アニメの主題歌」が減ったのも寂しい気もしますね。
大人に見てもらえるアニメを狙って普通のアーティスト使ってる気もしないでもないですが。

・QUEENブーム
これもタイアップの話なのかな。
なんだっけ、あの月9のアイスホッケーのやつ。
あれにQUEENの曲が使われたのが今回のブームのきっかけでしたか。
私は月9もキムタクも好きじゃないので、一回も見てなかったけど。
少しだけみたら、なんだこれと思った記憶も…。
まあ、どういうドラマだったのかは知りません。
キムタクがエキストラの前歯折ったのは知ってるけど。
で、「QUEEN JEWELS」って日本限定のベスト盤が出たよね。
これがオリコン総合チャート1位で、これは77年の「華麗なるレース」以来のことだから、ここ最近では最大のQUEENブームだったみたいね。(ただし、オリジナルアルバムの売上は「メイド・イン・ヘブン」が1位のようです。)
このJEWELSは選曲こそ悪くないものの、個人的に色々頭を抱えさせたアルバムでした。
まず、選曲が全盛期の70年代の曲がもちろん多いんだけど、ドラマのファンや、「I WAS BORN TO LOVE YOU」が好きでこれ買った人に地味だなあとか、古臭いとか、こんなもんかとか思われないかなと心配だったのです。もちろん、QUEENの曲はいまだに錆び付いていないとは思っているけど、普段浜崎とか、流行曲ばかり聴いて育った女の子とかが、70年代英国ロックである、これを買ってどう思うのかな〜と思ったわけです。新鮮に聴こえたなら、気に入ってもらえたならうれしいんだけどね。これで気に入った曲があって、オリジナルアルバムも買いに行ってくれたらもっとうれしいし。
ただ、従来のファンからしてみれば、ちょっともの足りないアルバムであるのも確かで、同じベスト買うなら、グレイテストヒッツ1〜3買ったほうがいいような気もするし。まあ初心者向けとしたらいい内容かとは思うけど。
ただね〜。QUEENてベスト盤やたら多いんですよ。今回のも含めたら5枚あって、これらを好きな順番に自分が買うとしたら、JEWELSは、4枚目か5枚目になるかな。
それにこれ、CCCDなんだよね。
CCCDは悪名高く、まあ個人的にも少し悩みの種ではあるんだけど、方法はまずいにしてもこの国の著作権は適当だ、というか意識が低いと感じてる部分もあったから、なんらかの対策は必要なのかもしれないけどね。
まあ、このCCCDはQUEENメンバーのブライアンも批判してたけどね。
そもそも、QUEENが出してる東芝EMI、それにSONY、AVEXなんかはCCCD推進派だよね。
著作権においては、今回は詳しくは触れないけど海外でも、METALLCAのナップスター騒動や、SYSTEM OF A DOWNの「STEAL THIS ALBAM」問題、ダフト・パンクの楽曲流出問題とか結構あるんだよね。
だから、こういう対策が講じられるのは必然だったとは思います。やり方が適当であったかは別にしてね。
閑話休題。
で、などなど頭が痛い部分もあるアルバムなわけです。
それに、QUEENを知ると必ず突き当たるのが、フレディ・マーキュリーがエイズで亡くなったという事実です。
これをネガティブに受け止める人って多いように思いました。知らないし、好きじゃない人にしてみれば、大したことじゃ無いのかもしれないけど、フレディは最後まで誇り高かっこよく生きた人でした。ミュージシャンとしては勿論、人間としても本当に魅かれずにはいられないなにかがあった思います。
例えば、XJAPANのhideが死亡した時、はじめ自殺だと報道され、直前に残した「ピンクスパイダー」も自殺願望を表した曲だとワイドショーで騒ぎ立てました。最近の見解では自殺ではなく、事故だったとの意見が大半を占めていますが、当時のワイドショーは自殺だという以外の可能性を全く考えず、「無責任、身勝手な死」とコメンテーターは騒ぎ立てました。勿論そうじゃない報道もあったんだろうけど大半がそうだったしね。私は思いましたよ。「お前らにhideの何が分かる。hideのことなんか知りもしないし好きでもないくせに」ってね。
フレディのエイズで死んだって事実を嘲笑したり、やたら批判的なことをいう人を見るとそういう感想を抱きますね。そういう人はQUEENを好きじゃない人だって大体分かるし。
まあ、うちの父なんかがそういうタイプの人間で、TOSHIの洗脳騒動の時も鬼の首取ったように喜んでいましたが。私がそういう音楽聴くのよっぽど苦々しく思ってたんでしょうかねえ。
少し話しがそれましたが、知らない人にフレディのことを単にエイズで死んだミュージシャンと思って欲しくはないですね。彼は、ミュージシャンとしても人間としても偉大だったと私は思っています。
また逆に、その死を必要以上に持ち上げるのもやめてほしいかな。カート・コバーン、ジミ・ヘンドリックスなど、死がその存在をさらに神聖化させたアーティストは少なくないし、それも分からなくはないけどね。
友達でこういうこという人がいました。「ロックやるやつは、ドラッグか自殺で死なないと」みたいなね。芸術家気取り(実際絵は上手かったですが)の人でしたが、この発言はどうかと思いましたね。でもまあ、こういう考え、もしくは近い考えって結構あるように思うんだよね。ロックは破戒的でないとみたいな。でも、ロックするのは飽くまで人間で、怒りもするし、死にもするけど、私達と同じで慈しみも、精一杯生きることもするんですよ。不真面目に生きて不真面目に死ぬのがミュージシャンじゃないと思いますよ。そういうイメージって少なからずあるとは思うし、そういうのがかっこいいと思わないこともないけど。
その友達がフレディがエイズで死んだのを知った時「かっこい〜」って言いましたよ。何がかっこいいんですか?フレディはもっと生きたかったと思いますよ。漫画のキャラでもなんでも無く、私達と同じ人間ですよ。確かに最後までかっこよく生きたとは思いますが、その人はそんなことも知らないし、飽くまで「エイズで死んだ」っていう死に方にかっこいいって言ったんですよ。
死ぬのがそんなにかっこいいですか。ファンはみんなフレディが死んだことを悲しんだと思いますよ。カート・コバーンなんかも苦悩して死んだからかっこいいと思われがちだけど、私は彼がかっこいいのは死ぬほど苦悩しながら、それでもロックしたことにあると思いますよ。
好きでもない人が軽々しくそういうこと言って欲しくない、というのが個人的な気持ちです。
で、話は戻るけど、今回のブームは私のそういう心配を強くした出来事でもありました。
勿論好きなバンドが再評価されるのはうれしいし、今回のブームで特集番組や、特集本が沢山出たのもうれしいですし。でも、本当に今回のブームは再評価に至ったのかな。それ以来QUEENが気に入って聴いてるって人がどれだけいるんだろう。過去にABBAやROXY MUSICがドラマの影響で流行ったこともあるけど、それで聴き始めた新しいリスナーはどれくらいいるんだろう。
実際それが見えてこないから、私には再評価された実感がないのです。
思いつくまま書いたので、読みにくいのはご勘弁ください。



音楽雑誌ってどう?
始めにお断り。
リアルタイムで体験してない部分もあるので、その当時の空気を正確に表現できてない記述もあるかもしれません。ごめんなさい。
それと、思うまま書いたので文が結構めちゃくちゃかと…。
B!=BURRN!、RO=ROCKIN'ON、CB=CROSSBEATです


私が今買っている音楽雑誌は、BURRN!,ROCKIN'ON(JAPAN),CROSSBEAT,GRINDHOUSEあたりが多いと思う。(昔は各種ギター誌、バンドやろうぜ、MUSICLIFEなんかも買っていた)BURRN!はハードロックやヘヴィメタルの雑誌、GRINDHOUSEはメタルなどに含まれないタイプの重めのロック、その他はロック一般を特集した雑誌であると思う。ROCKIN'ON JAPAN以外は洋楽ロック中心の内容だ。
大まかだが、これらの雑誌を2つに分けるとBURRN!とそれ以外に分かれると思う。つまり、メタルか非メタルかということだ。
実際BURRN!以外の雑誌はメタルを拒絶している傾向にある。(MUSICLIFE、INROCKあたりは昔メタルも載せていたような気もするが)
そして、(最近その傾向も崩れがちだが)BURRN!に載るアーティストは大抵その他の雑誌に載らない。
もちろん、マリリンマンソンやSLIPKNOTなど、メインストリームの大物は特集されたりもするが。
例えば、SLIPKNOTは自ら自分らをメタルだと標榜しているし、他にもそういうバンドはいる。だが、BURRN!以外の雑誌でそれらを取り上げる時には、メタルバンドとしてはけっして取り上げない。メタル的要素も全く認めないこともないが、それをメタルバンドだとはけっして紹介しない。何故なら、編集方針としても、読者としても、かっこいい音楽はメタルであってはいけないという空気があるからだ。つまり、これらの雑誌(特にRO)ではSLIPKNOTはかっこいいから、これはメタルではない(何故ならメタルはかっこ悪い音楽だから)、という図式(欺瞞)が成り立っている。実際SLIPKNOTはメタルなのだが。
勿論、メタルだろうがそうでなかろうが認めるリスナーは多いとは思うが、世の中には、メタルだからかっこいい、メタルだからかっこ悪い、っていうリスナーがまだまだ多いように感じる。
そういう風潮の要因の一部にこれら音楽雑誌があると思うのだ。
ヘヴィメタル、ハードロック(以下HM/HR)がダサいといわれて久しい。80年代はHM/HRの時代だった。だが、90年代初頭、NIRVANAなどオルタナ、グランジ勢の出現により、HM/HRの大半は一気に放逐され、過去のものとなり、今ではダサいといわれる音楽となった。(特に日本では)
これを当時BURRN!などメタルシーンでは、暗くて楽器の出来ない連中の一時的なムーブメントに駆逐されたととらえ、一般ロック誌では、虚飾にまみれた音楽が真摯なメッセージを持った音楽に駆逐されたという捉え方をしていたと思う。この時代の両者の溝は深く、今でも(縮まりつつはあるが)存在すると思う。
しかし、この事柄については両極端な見方であり、同時に両方当たっている部分もある。実際、NIRVANA以前の90年代初頭には様々なメタルバンドが溢れかえっており、その大半がどうしようもない音楽をやっていた。実力のあるのは一握りだった。ブーム全盛は中堅バンドが適当な作品をやっても売れたが、NIRVANA以降はその大半が厳しくなり、解散したり、忘れ去られていった。
これをメタル周辺はオルタナ・グランジにメタルが駆逐されたと考え、目の敵にした。だが実際、そうではないと思う。当時メタルは飽和状態で、シーンはどうしようもない状態だった。メタルの代表的バンドともいえるバンドのメタリカはブラックアルバムで、単なるスラッシュメタルといわれる存在から脱却し新たなことをやりはじめていた。だが大半のバンドはもうシーンが泥の船だと気づかずにあいも変わらず同じことをやり続けた。ブームに乗っただけの連中が単にブームが終わったから消滅しただけのことだ。
その時期とNIRVANAをはじめとするオルタナ・グランジ勢が台頭してきただけのことだ。放逐されたのではなく自滅しただけだと思う。
だから、メタル勢もそれ以外のロック勢もその点では少しずつ違うと自分は思っている。
こういう流れもあって、メタル勢はNIRVANAを目の敵にし、その他は英雄視しているという風潮が現在もあると思う。勿論それだけの理由ではないと思うが。
とにかく、それ以降、メタルはすっかりダサい音楽になってしまった。(格好がダサいとは以前から言われていたようだが)
ROは(というか渋谷陽一)メタル全盛当時からメタルはダサいと標榜しており今も対メタル(?)の最先鋒的印象がある。(METALLICAとかを載せるようにはなったようだが)
他ロック雑誌も、重くてもメタルじゃないから載せるとか、たとえ完全なメタルでもメタル的要素もあるロック程度の紹介にして載せることが多い。
またB!誌も「THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE」を標榜するのに、BON JOVIは載せるのに、KORNを載せなかったり、いわゆる重い音楽でもメタルじゃなければ載せず、重くなくても(80年代をはじめとする)メタルの範疇に入るなら載せるみたいな矛盾がある。
これらは本当にくだらない。今現在、ロックはジャンル分けがほぼ不可能な段階まで来ていると思う。もちろん、ソフトロックとゴリゴリのメタルは全く違うが、メタル要素のパンク、パンク要素のメタル、ヒップホップや、民族音楽なんかとのコラボレートなんかも珍しくない。
今の状態では、自分の聴きたい音楽を見つけるためには何冊もの音楽雑誌を読む必要がある。もちろん、雑誌以外にもネットなどの情報ソースはあるが、ロックに関しては、読み物としての形態がマッチしていると思うのだ。ジャンル間の溝はアーティスト以上にマスコミが深いような気もしないでもない。1ジャンルであるロックの中でさらにジャンル分けしてももはやしょうがない時代に来ていると思うのだが。
また同作品でも各誌によって評価が全違う場合が少なくないから、安易に一誌のレビューで納得しないほうがいいかもしれない。まあこれも傾向はB!vsその他雑誌みたいなかんじになっているとも思うが。
例えばCB誌は★の5段階評価(☆は+α)で、B!誌は100点満点評価だが、ここにも大きな隔たりがある。
CBの★一つがB!の20点には決して相当しない。
大体こんなかんじだと思う。
CB   B!
★1=〜50
★2=〜79
★3=〜89
★4=〜94
★5=95〜
☆が付く場合はその触れ幅の中で高得点という感じだと思う。
まあ、どちらがいいとは言わないが、B!誌の評価はかなりアバウトだと思う。
というかむしろ点数なんてつけなくてもいいとも思うが。

日本のロックで、メタルが日陰者なのは、その歴史以外にも音楽誌間の問題もあるのだと思う。そしてリスナーや読者の狭量さかな。
メタルだからいい、メタルだから良くない。
メタルじゃないからいい、メタルじゃないから良くない。
メタルはダサいと言う人は、ちゃんとメタルを聴いたことがあるのか?
メタル以外は認めないって言う人は、それ以外聴いたことがあるのか?
そもそも、他を認めようとする気持ちはないのか?
そんなの全然馬鹿馬鹿しい。大体そういう人は複雑化した今のロックでこれがメタル、これがメタルじゃないって、正確に判別できる?そもそもそんなこと正確にできる人がいるかどうか疑問だし。
音楽誌からしてメタルvsその他のロックってなってるから、そこからしてややこしい。
両方買う分には問題ないけど、そうじゃない人が大多数でしょ?
だから、溝が出来るんだよ。
音楽にまで国境作ってどうする。
いいものはいいって何故言えない。
言える人も勿論いるんだろうけど。
そうじゃない人にはね、
私はロックが好きだっていう人にはそういう溝を作らないで聴いてほしい。
こだわるのもいいけど、他のジャンルも認めて欲しい。
そこまで行かなくても排他的にはならないで欲しい。
私はロックが好きなので、いつもそういうことを考えています。
音楽雑誌の話から始まって、変な結論で終わりましたが、以上です。





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